この恋が永遠になりますように


篠山に近寄った俺は肩を叩き、そっと名前を呼んだ。


「杏…。」


「えっ!?」


そう言って振り返った篠山の顔はとても驚いていた。


無理も無いだろうな。


俺がいきなり名前で呼ぶんだから。


それに、篠山本人に許可をもらった訳でもないし。


理由は分かっているのに、篠山には言わせたくて俺は少し焦らしてやった。


「どうかしたか?」


「な、名前…。」


「杏だよな?」


「そ、そうだけど…。」


そうやって戸惑う篠山がどうしてか俺には可愛く見えたんだ。


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