この恋が永遠になりますように
あの人のこと、知雅兄のこと、紗耶加さんのこと
そしてあたしが最も恐れていて全てを失った日のことを。
憐は何も言わずただ黙って、そして時折あたしの背中をゆっくりとさすりながら聞いてくれていた。
「…。」
「…。」
話が終われば流れる沈黙の瞬間。
初めて誰かに話すことができたあたしの苦しみ。
そして、その沈黙を破ったのは憐だった。
「何も知らずにごめん。そんなことがあったんだな。」
「なんで…謝るの?憐は何も悪くないのに。あたしがただ一方的に話しただけなのに。」
「話すのも、思い出すのも辛かっただろ。」
そう言って憐はあたしを抱きしめた。