この恋が永遠になりますように
「あん…ず…」
杏の姿は酷く窶れていて、それでいて感情すらなかった。
あの事件が杏を縛り付けている。
ようやくゆるみ出していたあたし自身の傷がだんだん沸繰り返していた。
でも、どうしようもなかったんだ。
とりあえずあたしは杏の元へ向かった。
拒まれるかもしれない。
そんな恐怖があたしを襲ってくる。
でも、それ以上にあたしは杏と話したかったんだ。
あたしは杏の側に駆け寄った。
「あ、あんず…!」
そう呼ぶと杏は思いっきり肩をびくつかせながら振り返った。
「ま…こ…と。」
それだけ呟くと杏はあたしに頭をさげた。
「あ…んず?」
「真琴、あの時のことごめん。紗耶加さんを助けられなくて!」