ゆびわ
ふふ、と勿体ぶる朱鳥。
もしかしたら、本当に彼氏から貰ったのかもしれない。
シルバーで繊細な造りをしているリングは、派手すぎず、品よく見える。

教えてよーと拗ねる私に朱鳥はゆっくりと話し出す。

「これはねー、んと、二ヶ月位前かな。友達に薦められた占い師さんとこで貰ったんだ。」

彼女によると、今、高校生に人気な占い師が居て、恋愛から勉強まで何でも占ってくれるらしいのだ。

「でも、何か胡散臭げじゃない?」

指輪はそんな安そうじゃ無いし、貰うなんて怪しすぎる。そもそも効果は有るのか。
そんな私に朱鳥は、大丈夫と言い張る。

「大丈夫だって。別に占ってもらうのはタダじゃないんだよ。これは恋愛に効くの。あたし、これ着けてから好きな人と両想いになれたし。」
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