Do You Remember?
やっぱりあれは、この安村だった。彼は、それ以外の言葉は何も口にせず、放課後のざわめく教室を出て行った。7年前の4月のことだ。桜の花が緑へと変わっていく、そんな季節だった。
安村夕雅。彼はとても頭のいい男だった。私とは正反対な男だった。頑張っても、決してそんな姿は微塵も見せない。彼は過程よりも、結果を重視するタイプの人間。私は全く逆。結果をなかなか出せない要領の悪い人間。彼はスポーツ万能。私は運動音痴。彼はすぐ悪ぶる。私はすぐいい子ぶる。
最初はそんな彼に興味があった。ただ単にそれだけだった。それから続く、永い永い思いなど、知るよしもなく。あの頃はただ、そんな風に、この毎日が当たり前にある物だと思っていた。明日もまた明日も、ずっとずっとこのままでいられるような気がしていた。
安村夕雅。彼はとても頭のいい男だった。私とは正反対な男だった。頑張っても、決してそんな姿は微塵も見せない。彼は過程よりも、結果を重視するタイプの人間。私は全く逆。結果をなかなか出せない要領の悪い人間。彼はスポーツ万能。私は運動音痴。彼はすぐ悪ぶる。私はすぐいい子ぶる。
最初はそんな彼に興味があった。ただ単にそれだけだった。それから続く、永い永い思いなど、知るよしもなく。あの頃はただ、そんな風に、この毎日が当たり前にある物だと思っていた。明日もまた明日も、ずっとずっとこのままでいられるような気がしていた。