旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
「昨日の昼間、空いた時間に買いに行ったんです。渡そうと思って」

 置かれた箱を見つめ彼の話を聞く。

「嬉しくないかも知れませんが、俺が持っていても仕方ないので貰ってやって下さい」

「……ありがとうございます」

 置かれた箱をそっと手に取ると暫く眺め、それを開ける事はせず自分の座る横に置いた。

「……」

 彼はそんな私をただ黙って見つめていた――。

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――――――

 朝食が終わると彼は会社へ行った。

 いつもと変わらない笑顔で見送る。

 玄関のドアがバタンと閉まると「はぁー」と大きなため息が出た。

 部屋に戻るとテーブルの上に置いたプレゼントが目に入った。

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