旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
「付けてくれないと思ってました」

 私の左腕にしたブレスレットを彼が見つめながらそう言った。

「雅也さんが私の為に選んでくれた物ですから、付けないわけにはいきません」

 クスっと笑うと彼は優しい瞳で私を見つめた。

「本当にすみませんでした……連絡をしようと思ってたのですが、出先で出来なくて」

「もういいですから。一緒にお祝いしようと言って貰っただけで私は充分です」

 何度も謝る彼にきっと私は困った顔をしている。

 そんな私を見た彼はまた「すいません」と謝ってきた。

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