旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
「どんなに頑張ってもやはり俺一人では無理なのかもしれません……自分の会社も危ないのに親会社の社長の座なんて……」

 俯いて額に手を当て顔を覆うようにしたまま彼がそう言った。

「そんな事……」

 俯く彼を見てなんて言っていいか分からず、言葉が続かない。

 初めて見る彼の姿に胸を締め付けられる。

「うちが取引している会社の多くも三田井と取引を行っていて……その会社に制圧をかけ、鈴木グループ会社と取引を行わないよう言われているみたいです……」

 ――!?

「なんですかそれ!?ひどい……」
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