旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
「大丈夫ですか?あまり顔色よくありませんけど……」

 朝、コーヒーを彼の前に出しながら尋ねる。

「大丈夫です」

 笑いながら言う彼の姿が痛々しくて胸が痛む。

「あの……私、父に援助お願いしてみます」

「……いえ。大丈夫ですから」

 そう言うと彼はコーヒーを一口飲んだ。

「……でも」

 彼はこんなにも頑張っているのに私は何も出来ないなんて……。

 何だが悔しくて、抱き抱えているお盆を持つ手に力が入る。

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