旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
 話――?なんの話かしら。

 彼が座る向かいの椅子におずおずと腰を降ろした。

 眼鏡の奥に見える綺麗な瞳は結婚式の時とは違い、何処か冷たい瞳に見える。

 テーブルに両肘を立て顔の前であの長い手を組むと、私を見つめる瞳は一層鋭くなった様に思えた。

「瑞希さん。俺は貴女と寝るつもりはありません」

「……え?」

「貴女と結婚しましたが、貴女を妻として見ることもありません」

 突然の言葉に思わず口をつぐむ。

 あの優しく微笑んでいた彼は今、私を冷ややかな目で見ていた。

< 16 / 297 >

この作品をシェア

pagetop