旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
 居間へ行くと椅子に座り父が来るのを待った。

 母と一緒に父が来ると、私の向かいにドガッと椅子に座った。

 私の真剣で重々しい雰囲気に父の顔が歪む。

「なんだ、話と言うのは」

「……雅也さんの会社の援助をお願いできませんか?」

「なに?」

 父の顔が私の言葉で益々顔を歪ませる。

「彼は鈴木グループの存続に危機感を持ち、三田井グループの統合を拒否しています。ですが三田井グループはそんな彼の会社に圧力をかけ統合するよう追い込んでいます……お願いします!彼の会社を助けて下さい!」

 父に頭を下げ、祈るように目をギュッと瞑る。

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