旦那様は冷徹社長!?～政略結婚は恋の始まり～

「やめて下さいお義父様！私が勝手にした事ですから！」

　頭を下げるお義父さんに慌てて頭をあげるよう促すが、お義父さんは一向に頭を上げようとしない。

　一人オロオロしていると――。

「野田社長には怒られてしまったよ。しっかりしろと……鈴木グループを潰すなと……」

　頭を下げたままお義父さんがそう言うと、ゆっくり顔をあげた。

　その顔は厳つい顔からは想像出来ないほど悲しげで瞳は少し潤んでいるように思えた。

「全ての責任は私にある。安易に考え三田井との統合に頷いてしまったばっかりに息子達には迷惑ばかりかけて……」

　お義父さんは言葉を詰まらせると目頭を人差し指と親指で摘まむように押さえた。

　涙を堪えているのだろうか……。


　そんな様子をただ黙って見つめていると、お義母さんが代わりに話始めた。

「前に瑞希さんも鈴木グループの事考えてほしいって言ってたでしょう？だから、先日家族で集まって話し合ったの」