旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
 バタンと背中でドアを閉めるとそのままズルズルと座り込む。

「……うっ……ふっ……」

 隣の部屋にいる彼に聞かれまいと声を殺して泣いた。

 分かってる……そんな事言われなくても。

 念を押されるように言われると、もうどう彼と接していいかわからない。

 わからないの……。

 ハラハラと落ちていく涙は私の服に染みを作っていく。

 その夜は殆ど眠ることが出来なかった――。

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