旦那様は冷徹社長!?～政略結婚は恋の始まり～

　社長室へ入ると秘書の花崎さんが私を見て驚いている。

「そこのソファに座っててください。花崎君、瑞希さんにコーヒーを」

　社長椅子に座り机に置いてある書類に目を通しながら彼が言った。

「しかし社長、ここは部外者は……」

「彼女は俺の妻だ。何も問題はない」

　書類を眺めながら彼が言うと、私を敵対視している花崎さんは不満気な顔をした。

　渋々花崎さんが入れてくれたコーヒーを飲む。

　書類を見ながら電話をしたり、パソコンを打ったりと忙しそうに働いている彼を見る。

　毎日こんなに忙しい日々を過ごしているんだろうか。

　あと２日休みが残っているから、彼にはゆっくり過ごして欲しい。

　朝早くから夜遅くまでこれではいつか倒れてしまいそうだと思った。