旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
「野田は変わらなさ過ぎ」

 笑いながら人差し指で、私のオデコを軽くトンと押す。
 これは沖君の癖だ。

 大学時代もよくしてきてたっけ……

 懐かしくて思わず笑みが溢れる。

「瑞希さん」

 どこか威圧感がある低い声で名前を呼ばれると、彼の方へ顔を向ける。

「彼とはお知り合いでしたか?」

 眼鏡を片手で覆うように直す彼の顔色は窺う事は出来ない。

「大学時代の友人です……」

 沖君は不思議そうに私と彼を交互に見ている。

「野田、社長の知り合い?」

 頭を傾け沖君は私に聞いてきた。

「妻です」

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