旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
 そう答えたのは私じゃない。

 眼鏡を通して突き刺すような視線を送ってくる彼だ。

「え!?野田が!?」

 驚愕した沖君が体を反るような形になって私を凝視した。

「瑞希さんの友人でしたら、これからも彼女と仲良くして上げて下さい」

 にっこり笑いながら彼が言う。

「……あ、はい。では私はこれで……。じゃあな、野田」

「うん」

 驚きを隠せないまま沖君が部屋から出ていった。

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