旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
「あ、でも1回だけ4人で彼の家に集まって飲んだ事ありました。結局皆酔い潰れてそのまま寝ちゃったんですけど」

 思い出してまた笑うと急に車が路肩に止まった。

 不思議に思って彼を見ると、前を向いたまま横目で私を見ている。

「大人しいお嬢様かと思ってましたが、違う様ですね」

「……え?」

「俺は男女間で友情が成立するとは思っていません。男の家に行って酔いつぶれるなんて、襲って下さいと言っている様なものです」

「……皆寝てましたし、沖君はそんな事する人ではありません」

「女の貴女が男の何を知ってそんな事が言えるのか分かりませんが、彼だから大丈夫と何故言い切れるのですか?彼だって男です。理性が効かなくなる事だってあります」

「そんなこと……」

 彼の言っている事もわかるが、あの沖君は絶対そんな事するはずないと信じていた。

 それに現に何もなかった。

 彼は男女の友情は成立しないと言ったが私はすると思ってる。

 沖君だってそう思ってるはずだもの。
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