旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
 彼の車に乗り込み、ここから2時間ほど離れた彼の実家に向かう。

 実家に近づくにつれ、彼の顔は段々浮かないようにも思えた。

「実家に帰るのは久しぶりですか?」

 緊張と車中の少し重たい空気を変えようと彼に尋ねた。

「そうですね……、お祖父さんの葬式以来です」

「3年ぶりって事ですか?」

 少し驚いて運転する彼を見る。

「兄達とは折り合いが合わないので」

 そう言う彼の横顔は少し笑っているようだが、目は笑っていない。

「それは、雅也さんが社長の座を狙っているのと関係あるんですか?」

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