旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
「それもあるかもしれませんが、小さい頃から仲は良くありませんでしたから」

「……そうなんですか」

 空気を変えようと思って話しかけたのはいいが、なんだか益々重くなったように思う。

「お祖父さんは優しい方だったんですか?」

 話題を間違えたと思い、話を変えて彼に尋ねた。

 「……とても恐い方でした」

 運転している彼の顔はさっきの兄達の話とは違い、何処か懐かしんでいるみたい。

 祖父をとても恐いと言う言葉とは裏腹に彼の目は嬉しそうだった。

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