幸せになるために
「聖くん、どれが良い?」
オレはテーブル上に出した紙コップを持ち上げながら問いかけた。
黄色と緑色と青色があり、白抜きの星の模様がランダムに散りばめられているデザインのコップ。
「あお~!」
ソファーからだとテーブルが遠くなってしまうので、ラグの上に足を伸ばして座っていた聖くんは、オレに輝くばかりの笑顔を向けながらお返事した。
「聖くんはあの色が好きなんだ?」
紙皿にフライドチキンを乗せながら吾妻さんが質問する。
オレがダイニングテーブル上の料理を、吾妻さんがオードブルを取り分ける、というように役割を分担したのだ。
スープ用の容器は白の無地だし、紙皿はすべて同デザインなので聖くんに選んでもらう必要はない。
ちなみに紙皿は、フチをぐるっと取り囲むように、等間隔でクマさんの絵がプリントされている、とてもファンシーなデザインだった。
「うん、好き~!」
今度は吾妻さんに視線を移して聖くんは元気良く返答する。
「だからこのセーターかってもらったの。全部あおじゃなくて、しましまになってるのがかわいいな~とおもって」
言いながら、聖くんは自分が身に着けているブルーとクリーム色のボーダーのセーターの裾を両手で引っ張った。
「お母さんとお兄ちゃんが、すごく似合うよって、言ってくれたんだ~」
「……そうなんだ」
さすが吾妻さん。
「俺も、すっごく聖くんに似合ってると思うよ」
ちょっと遅れたけれど、聖くんの解説にきちんと言葉を返している。
オレなんか、シャンパンの瓶を持ったまま、思わずフリーズしてしまったというのに。
「比企さん?」
吾妻さんに呼び掛けられて、ハッと我に返る。
「あ、な、なんか、これ開ける時ってすげー緊張しちゃって」
とっさにそう言い繕って、オレは二人からちょっと離れると、瓶の口を上に向けて栓に指をかけた。
「えい!」
掛け声と共に押し出すと、栓は勢い良く飛び上がり、天井に当たって床に落下した。
「うわぁ~!」
「すごっ。ちょっとした凶器ですよね」
聖くんと吾妻さんが同時に声を上げる。
「いや~。すげードキドキしたー」
とりあえず、無事に開栓できた事にホッと息を吐きつつ栓を拾い上げ、元の位置に戻った。
オレはテーブル上に出した紙コップを持ち上げながら問いかけた。
黄色と緑色と青色があり、白抜きの星の模様がランダムに散りばめられているデザインのコップ。
「あお~!」
ソファーからだとテーブルが遠くなってしまうので、ラグの上に足を伸ばして座っていた聖くんは、オレに輝くばかりの笑顔を向けながらお返事した。
「聖くんはあの色が好きなんだ?」
紙皿にフライドチキンを乗せながら吾妻さんが質問する。
オレがダイニングテーブル上の料理を、吾妻さんがオードブルを取り分ける、というように役割を分担したのだ。
スープ用の容器は白の無地だし、紙皿はすべて同デザインなので聖くんに選んでもらう必要はない。
ちなみに紙皿は、フチをぐるっと取り囲むように、等間隔でクマさんの絵がプリントされている、とてもファンシーなデザインだった。
「うん、好き~!」
今度は吾妻さんに視線を移して聖くんは元気良く返答する。
「だからこのセーターかってもらったの。全部あおじゃなくて、しましまになってるのがかわいいな~とおもって」
言いながら、聖くんは自分が身に着けているブルーとクリーム色のボーダーのセーターの裾を両手で引っ張った。
「お母さんとお兄ちゃんが、すごく似合うよって、言ってくれたんだ~」
「……そうなんだ」
さすが吾妻さん。
「俺も、すっごく聖くんに似合ってると思うよ」
ちょっと遅れたけれど、聖くんの解説にきちんと言葉を返している。
オレなんか、シャンパンの瓶を持ったまま、思わずフリーズしてしまったというのに。
「比企さん?」
吾妻さんに呼び掛けられて、ハッと我に返る。
「あ、な、なんか、これ開ける時ってすげー緊張しちゃって」
とっさにそう言い繕って、オレは二人からちょっと離れると、瓶の口を上に向けて栓に指をかけた。
「えい!」
掛け声と共に押し出すと、栓は勢い良く飛び上がり、天井に当たって床に落下した。
「うわぁ~!」
「すごっ。ちょっとした凶器ですよね」
聖くんと吾妻さんが同時に声を上げる。
「いや~。すげードキドキしたー」
とりあえず、無事に開栓できた事にホッと息を吐きつつ栓を拾い上げ、元の位置に戻った。