幸せになるために
すっかりご無沙汰だったけれど、高校に上がるくらいまで、つまり友達とクリスマスを過ごすようになる前は、このシャンパンもどきのジュースは毎年必ず飲んでいた。
小さい時は父さんが開けてくれていたんだけど、成長するにつれてその役目をオレ達が担うようになり、兄ちゃんとギャーギャー大騒ぎしながら開栓したものだ。
まぁ、そんなてんやわんやした事も、クリスマスの楽しい思い出の一つなんだけどね。
「あ、吾妻さんは何色が良い?」
聖くん用の青いコップにシャンパンを注ぎ入れながら問いかける。
そういえばまだ、彼の希望を聞いていなかった。
「あ、えっと…。黄色でお願いします」
「黄色ね、OK。じゃ、オレは緑色にしようっと」
別にどっちかと被っても良いんだけど、せっかく三色あるんだし、色んな色がテーブルに乗っていた方が華やかで良いかと思ってそう判断した。
すべてのコップにシャンパンを注ぎ入れた後、今度はシチューをよそって、それぞれの席の前に置く。
「お待たせー」
そう言いながら右手に吾妻さん、正面に聖くんが見える位置に腰かけ、オレは言葉を繋いだ。
「じゃあ、まずは乾杯しようか」
「そうですね」
コップを高く掲げたオレと吾妻さんの真似をして、聖くんも両手でコップを持ち上げる。
「かんぱ~い」
言い出しっぺのオレがそう号令をかけつつ、聖くん、吾妻さんの順にトントン、とコップを当てて行った。
「かんぱ~い」
「かんぱい」
聖くんと吾妻さんもお互いのコップを触れさせた所で、全員シャンパンを一口飲み下す。
「んー。しゅわしゅわするー。おいし~い!」
「ねー。美味しいよねー?」
「懐かしいな、この味…」
興奮気味に声を発した聖くんに続いて、オレと吾妻さんも感想を述べた。
「さて、じゃあ食べようか。いただきまーす」
「いただきま~す」
「いただきます」
全員で両手を合わせてそう唱え、楽しい晩餐が始まった。
「まずはシチューからいただこうかな」
スプーンを手にして呟く吾妻さんを見て、聖くんもそれに倣った。
「あ、聖くん。熱いから気を付けて食べてね」
シチューにスプーンを潜らせた彼に、慌てて注意を促す。
「うん、だいじょうぶだよ~。ちゃんとふーふーするから」
小さい時は父さんが開けてくれていたんだけど、成長するにつれてその役目をオレ達が担うようになり、兄ちゃんとギャーギャー大騒ぎしながら開栓したものだ。
まぁ、そんなてんやわんやした事も、クリスマスの楽しい思い出の一つなんだけどね。
「あ、吾妻さんは何色が良い?」
聖くん用の青いコップにシャンパンを注ぎ入れながら問いかける。
そういえばまだ、彼の希望を聞いていなかった。
「あ、えっと…。黄色でお願いします」
「黄色ね、OK。じゃ、オレは緑色にしようっと」
別にどっちかと被っても良いんだけど、せっかく三色あるんだし、色んな色がテーブルに乗っていた方が華やかで良いかと思ってそう判断した。
すべてのコップにシャンパンを注ぎ入れた後、今度はシチューをよそって、それぞれの席の前に置く。
「お待たせー」
そう言いながら右手に吾妻さん、正面に聖くんが見える位置に腰かけ、オレは言葉を繋いだ。
「じゃあ、まずは乾杯しようか」
「そうですね」
コップを高く掲げたオレと吾妻さんの真似をして、聖くんも両手でコップを持ち上げる。
「かんぱ~い」
言い出しっぺのオレがそう号令をかけつつ、聖くん、吾妻さんの順にトントン、とコップを当てて行った。
「かんぱ~い」
「かんぱい」
聖くんと吾妻さんもお互いのコップを触れさせた所で、全員シャンパンを一口飲み下す。
「んー。しゅわしゅわするー。おいし~い!」
「ねー。美味しいよねー?」
「懐かしいな、この味…」
興奮気味に声を発した聖くんに続いて、オレと吾妻さんも感想を述べた。
「さて、じゃあ食べようか。いただきまーす」
「いただきま~す」
「いただきます」
全員で両手を合わせてそう唱え、楽しい晩餐が始まった。
「まずはシチューからいただこうかな」
スプーンを手にして呟く吾妻さんを見て、聖くんもそれに倣った。
「あ、聖くん。熱いから気を付けて食べてね」
シチューにスプーンを潜らせた彼に、慌てて注意を促す。
「うん、だいじょうぶだよ~。ちゃんとふーふーするから」