幸せになるために
「……ぼく、5才じゃないよぉ?」
「……え?」
「まだ、4才だよ?」
「え?で、でも…」
「だって、ケーキを食べていないから…」
言葉の意味が分からず、自分でもかなり間抜け面になっているであろうと自覚しつつ目で問い掛けるように聖くんの顔を覗き込むと、彼は不思議そうな表情で質問して来た。
「ろうそくを『ふ~』ってやって消して、『お誕生日おめでとう』って言ってもらってからケーキを食べないと、一つ大人になれないんでしょ?」
そこで聖くんはうつむき加減になると、しょんぼりと言葉を発した。
「でもぼく、5本ろうそくの立ったケーキ、食べてないの。だからまだ、4才のままなんだ」
……あ………。
オレは急いで振り返り、吾妻さんの瞳を見つめた。
オレが気付いたんだから、彼が気付かない訳がない。
吾妻さんは大きく頷いてから、オレの隣に並んで膝を着くと、聖くんに優しく語りかけた。
「だったら、ケーキを食べよう」
ニッコリと、極上の笑顔を浮かべながら、吾妻さんは力強い声音で言葉を続ける。
「今年の12月24日、クリスマスイブの日に、聖くんとたすくお兄ちゃんと俺と3人で、聖くんの5回目のお誕生日パーティーを開くんだ」
「……え?」
「まだ、4才だよ?」
「え?で、でも…」
「だって、ケーキを食べていないから…」
言葉の意味が分からず、自分でもかなり間抜け面になっているであろうと自覚しつつ目で問い掛けるように聖くんの顔を覗き込むと、彼は不思議そうな表情で質問して来た。
「ろうそくを『ふ~』ってやって消して、『お誕生日おめでとう』って言ってもらってからケーキを食べないと、一つ大人になれないんでしょ?」
そこで聖くんはうつむき加減になると、しょんぼりと言葉を発した。
「でもぼく、5本ろうそくの立ったケーキ、食べてないの。だからまだ、4才のままなんだ」
……あ………。
オレは急いで振り返り、吾妻さんの瞳を見つめた。
オレが気付いたんだから、彼が気付かない訳がない。
吾妻さんは大きく頷いてから、オレの隣に並んで膝を着くと、聖くんに優しく語りかけた。
「だったら、ケーキを食べよう」
ニッコリと、極上の笑顔を浮かべながら、吾妻さんは力強い声音で言葉を続ける。
「今年の12月24日、クリスマスイブの日に、聖くんとたすくお兄ちゃんと俺と3人で、聖くんの5回目のお誕生日パーティーを開くんだ」