幸せになるために
「これでやっと聖くんの魂を、本来の場所に還してあげる事ができますね」
「うん」
もちろん、それが正解かどうかは、当日になってみないと分からない。
だけどオレ達は不思議と、妙な自信に満ち溢れていた。
きっとこれで間違いない。
吾妻さんの言う通り、『そのまま突き進みなさい』と、神様に背中を押されている感触を、確かに感じている。
「どこにしましょうか?」
「ん?」
「聖くんの、お誕生日パーティーで食べるケーキを頼む店です。イブと重なっててケーキ屋は大忙しだろうし、早めに予約しておいた方が良さそうですよね」
「ああ、そうだね」
さすが吾妻さん。
当日に向けて、さっそく準備を進める態勢に入ったようだ。
「それとも、手作りの方が良いですか?」
「あ、それはちょっと止めておいた方が良いかも」
オレはその案を慌てて却下した。
「だって……。吾妻さん、今までお菓子作りとかした事ある?」
「いえ。全然」
「だよね?」
昨日今日と出してもらったお茶うけは、バリバリ市販のやつだったもんね。
「オレも、普段の食事を作るのがやっとのレベルだもん。そんな二人がケーキ作りなんかしたら、かなり悲惨な結果になるよ?練習するったって、何回失敗するか分からないんだし、あんなドでかいケーキを短期間でそんな何個も食べてたら肝心のお誕生日当日、げんなりしちゃって喉を通らなくなっちゃうかも」
お腹も壊すかもしれないし。
「…ですね」
「スポンジを買って来れば大分負担は減るだろうけど、デコレーションは結局やらなくちゃいけないんだし、技術的にもセンス的にも超見映えの悪い代物に仕上がりそうな予感」
「確かに。それに、スポンジを市販のやつで済ませるんだったら、ケーキ屋で買うのともう大して変わらないですもんね」
「そうそう。だからやっぱりオレは、プロが厳選した素材で作った、ビジュアル的にも味覚的にも最高のケーキを用意してあげたい。聖くんの誕生日を祝うメッセージが書いてあるチョコレートのプレートと、砂糖で出来たサンタさんとトナカイが仲良く乗ってるやつね」
素人のオレには、そんな高度な技術が求められるオプションを、手作りする事なんてできないし。
「うん」
もちろん、それが正解かどうかは、当日になってみないと分からない。
だけどオレ達は不思議と、妙な自信に満ち溢れていた。
きっとこれで間違いない。
吾妻さんの言う通り、『そのまま突き進みなさい』と、神様に背中を押されている感触を、確かに感じている。
「どこにしましょうか?」
「ん?」
「聖くんの、お誕生日パーティーで食べるケーキを頼む店です。イブと重なっててケーキ屋は大忙しだろうし、早めに予約しておいた方が良さそうですよね」
「ああ、そうだね」
さすが吾妻さん。
当日に向けて、さっそく準備を進める態勢に入ったようだ。
「それとも、手作りの方が良いですか?」
「あ、それはちょっと止めておいた方が良いかも」
オレはその案を慌てて却下した。
「だって……。吾妻さん、今までお菓子作りとかした事ある?」
「いえ。全然」
「だよね?」
昨日今日と出してもらったお茶うけは、バリバリ市販のやつだったもんね。
「オレも、普段の食事を作るのがやっとのレベルだもん。そんな二人がケーキ作りなんかしたら、かなり悲惨な結果になるよ?練習するったって、何回失敗するか分からないんだし、あんなドでかいケーキを短期間でそんな何個も食べてたら肝心のお誕生日当日、げんなりしちゃって喉を通らなくなっちゃうかも」
お腹も壊すかもしれないし。
「…ですね」
「スポンジを買って来れば大分負担は減るだろうけど、デコレーションは結局やらなくちゃいけないんだし、技術的にもセンス的にも超見映えの悪い代物に仕上がりそうな予感」
「確かに。それに、スポンジを市販のやつで済ませるんだったら、ケーキ屋で買うのともう大して変わらないですもんね」
「そうそう。だからやっぱりオレは、プロが厳選した素材で作った、ビジュアル的にも味覚的にも最高のケーキを用意してあげたい。聖くんの誕生日を祝うメッセージが書いてあるチョコレートのプレートと、砂糖で出来たサンタさんとトナカイが仲良く乗ってるやつね」
素人のオレには、そんな高度な技術が求められるオプションを、手作りする事なんてできないし。