ファースト・ラブ
_ カサッ _
「・・・わぁ」
あたしはその場で袋を開いた。
入っていたのは、黒の背景に紫色の蝶の模様とラインストーンのついた鏡。
「・・気に入らない?」
しばらく黙っていたあたしに、汐見は不安そうな顔で声をかけた。
「ううん!!こうゆうの、好き・・」
ピンクや赤のように“女の子”って感じのものより、黒や紫、白や青のようにどっちかというと“クール”な感じのものが好きなあたしは、汐見の発言に首を横に振った。
「よかったぁ~。それ、なんとなく高舘っぽいと思って」
そう言うと、汐見は少し照れながら下を向いた。
「ありがとう」
よく考えれば、小学校からずっと一緒の汐見。
でも、ちゃんと話をしたのは、このときが初めてだった。