正反対な2人〜双子は最強陰陽師〜
「……きっとご自分でも分かる時が来ますよ」
ニッコリと笑ってそう言うと。
「私はそろそろ戻りますね」
と、部屋から出て行ってしまった。
「……恋。か……」
私、涼哉に恋してるのかな……。
でもいつの間にか嫌いじゃなくなってて。
今は涼哉が凄く優しくて良い人だって分かって。
今日だってそう。
下駄で歩きにくかった私の歩幅に合わせて歩いてくれた。
それに、転びそうになった時に助けてく
れたりもしてくれた。
「……そっか。私、涼哉の事……」
やっと分かった。
「……私は涼哉が、好きなんだ……」
涼哉が私以外の子と今日みたいにお祭りに来てるのを見るのは。
凄く嫌だし、悲しくなるし、ズキズキと胸が痛くなる。
知らない間に涼哉の事を考えちゃうのも。
涼哉を見るとドキドキしてキュンってなるけど、切なくなるのも。
「全部、好きだったからなんだ……」
そう呟けば、なんだかくすぐったくなる。
「……ふふ」
小さく零れた私の声は。
部屋に溶けていった。