正反対な2人〜双子は最強陰陽師〜
「え、何言うの茉莉花。あたしは流石にそんな事出来ないよ‼……多分」
「「………(1番出来そうなのに)」」
「屋上ってやっぱり風が気持ち良いね〜」
「確かに、涼しいわね」
「そんな事より早くするぞ」
「はーい」
あたし達は屋上の真ん中に立つ。
目を閉じて意識を集中させると学校を取り巻く邪気が分かる。
………今日は邪気があるだけで、特に何も無いみたい。
とりあえず、邪気を払わないと。
「この場に留まる禍々しき邪気を、祓い給え、清め給え、急急如律令」
浄化の呪文を唱えた後に、大きな柏手を打つ。
すると、学校を取り巻いていた邪気は綺麗になくなっていく。
それにあたしはホッと息をついて閉じていた目を開いた。
「ふぅ。よかった、今日は特になにも無いみたい」
「………だな。邪気だけがあるのは気になるけど」
「そうだね。お母さんに聞いてみる⁇」
「ああ。母さん達なら分かるかもしれないしな」
「………やっぱり花鈴達は凄いわね」
今まで黙ってあたし達のことを見て居た茉莉花がポツリと零す。
「そうかな⁇そんな事ないと思うけど」
「いやいや、充分すごいと思うわ‼」