正反対な2人〜双子は最強陰陽師〜
「もう、誰がミスコン獲ったのか分かんなかったじゃん‼︎」
「後で、郁斗達に聞きゃ良いだろ〜⁇」
もう、そういう事じゃなくて‼︎
発表された時のあの高揚した空気を味わいたかったの‼︎
言い合いながら食べ終わってしまった食べ物のゴミを纏めて居ると。
「花鈴、こっち来てみろよ」
「何よ、今ゴミ纏めてるの〜」
「それは後で良いから。ほら、早く」
涼哉に引っ張られて校庭の方の柵に連れてかれると。
ーーードンッ!!!
花火が打ち上がった。
「ギリギリ間に合ったな、花鈴⁇」
「…………花火あるの忘れてた」
そうだった、中庭でミスコンの後は校庭で花火が上がるんだった。
「…………なんか夏祭りの時みたい」
夏祭りの時も花火を涼哉と2人で見たんだよね。
そんなに前の事じゃなかったのに、何故か懐かしく感じる。
隣の涼哉をチラリと見ると、涼哉は私を見ていて。
お互いに無言で見つめ合う。
「…………花鈴、」
「………な、なに⁇」
何かを言おうとして口を開きかける涼哉はそこで1回止まって。
「…………なんでもねーよ」
フイッと私から目を反らして花火をまた眺める涼哉。
「…………なにそれ、変な涼哉」
私はそう言うのが精一杯で。