正反対な2人〜双子は最強陰陽師〜
「………茉莉花達は、って平気ね」
「………何が起きたんだ⁇」
五十嵐くんの呟きには答えず、代わりに曖昧に笑ってごまかす。
「………とりあえず、帰るか」
「帰ろ、茉莉花。あとちょっとで茉莉花の家だもんね」
「……ふふ、そうね」
「ほら涼哉、帰るぞ」
「……あ、ああ」
さっきのように普通にしようとしても。
何事も無かったかのように振る舞えるはずもなく。
なんとも言えない気まずい雰囲気に。
誰も喋る事が出来ない空気が漂う中、足だけを進めて茉莉花と私達の家を目指す。
「……な、なあ。さっきのってさ……」
そんな中で沈黙を破ったのは、唯一何もわかってない五十嵐くんだった。
「郁斗、お前なんか呟かなかったか⁇」
恐る恐るといった感じで郁斗に問いかけている。
「……なんで⁇」
「なんでって………そんな感じに見えたから」