正反対な2人〜双子は最強陰陽師〜
「縛縛縛、不動の鎖よ我が霊力によりもっと強固にせよ‼︎」
『こ、小娘がアァァ‼︎お前のその霊力如きにこの俺が負けるものかァァ!!!』
その叫びは呪詛として私を襲う。
「……っ!!!」
「花鈴‼︎」
「……私が霊力の事なんて1番分かってるわよ‼︎」
「……花鈴、お前‼︎」
「五芒星よ我にチカラを。急々如律令呪符退魔」
厳かに唱え符に息を吹きかけ身動きの取れない蜘蛛の姿の妖怪に放つ。
『……グ、グアアアアア!!!』
私の符が当たり苦しげにうめく。
『た、高階花鈴。お前はあの方の大切な……あのお方の恐怖に怯えるがいい…‼︎』
そう言うと符のチカラによって消滅した。
「残った邪気を浄化せよ」
清涼な風が私達に吹くのを感じて。
私は膝から崩れ落ちた。
「……花鈴‼︎」
「かりんちゃん‼︎いっぱいいたい‼︎」
駆け寄ってくる葉と郁斗達を見る。
「……葉、大丈夫よ⁇」
葉を抱きしめてそう言うも。
「大丈夫ってお前、その傷酷いだろ⁉︎」
涼哉に微笑むとあの子の名前を呼ぶ。
「……葵」