フェティシズム



その触れるか触れないかくらいの微妙な距離感がいい。


フフッ


「ん?」


「くすぐったい」


「くすぐったいって…触れてない」


「でも、くすぐったいの」


ほんの数ミリで触れる。


その空気に体が反応して


手を伸ばして触れ、そして唇を重ねる。


「クッククク…」


結局は私が焦れて…


それはいつものこと。


そんな私に皮肉な笑みを浮かべて


「好きだなぁ」


「フフ…」


そう。


私は貴方の口髭が好き。


貴方の顔に艶を与えているその口髭が。


一目惚れなんて信用してなかった。


でも…貴方を初めて見た時から私は目が離せなかった。


そして貴方を知れば知る程…囚われた。




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