フェティシズム




「まだ起きないのか?」


「あ、おはよ」


「早くもないけど」


シャワーを浴びた貴方はバスタオルで髪を拭きながらベッドに座る。


「おい!何してんだよ?」


貴方の背中に抱き着いて


「貴方を感じてるの」


「ん?」


「貴方の匂い」


今の貴方からは爽やかなシトラスの香りがする。


「フッ 変態」


「変態って失礼ね」


「いつも鼻をクンクンさせて俺の匂いを嗅いでる。まるで犬だな」


「犬?フフフ…私は恋人じゃなくて犬なんだ」


そう。


私は貴方の匂いが好き。


貴方が吸う煙草の匂いもボディシャンプーの香りも…


それは全て貴方だから。




< 18 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop