フェティシズム
「まだ起きないのか?」
「あ、おはよ」
「早くもないけど」
シャワーを浴びた貴方はバスタオルで髪を拭きながらベッドに座る。
「おい!何してんだよ?」
貴方の背中に抱き着いて
「貴方を感じてるの」
「ん?」
「貴方の匂い」
今の貴方からは爽やかなシトラスの香りがする。
「フッ 変態」
「変態って失礼ね」
「いつも鼻をクンクンさせて俺の匂いを嗅いでる。まるで犬だな」
「犬?フフフ…私は恋人じゃなくて犬なんだ」
そう。
私は貴方の匂いが好き。
貴方が吸う煙草の匂いもボディシャンプーの香りも…
それは全て貴方だから。