フェティシズム



「そんなにビクつくな」


「えっ?」


部署の飲み会があり帰る方向が偶々同じだったので一緒のタクシーに。


苦手な上司と狭い空間に二人きり。


どうしていいのか分からずずっと窓から流れる街並みを見て…


そんな時にいきなり言われた。


「いつも俺の前だと居心地悪そうにしてる」


「そ、そんなことは」


バレてたんだ。


「怖いのか?」


「……」


『はい、怖いです』なんて上司に向かって口が裂けても言えない。





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