フェティシズム
「なっ」
「うん?」
唇が離れ君の瞳が私を捉える。
もう君から目を離せなくて…
何だか体が熱くなる。
「いつになったら『君(キミ)』から卒業出来るの?」
「えっ?」
君の指は優しく胸を…
「いつになったら『太一』って」
「うっ!」
唇が胸を攻める。
「呼んで…俺の名前を」
「アッ…ハァァアァ…」
声が零れる。
「呼んで…」
体が君を求めて疼く。
「……」
「呼んでくれるまで…お預けだから」
「い、意地悪」
それはまるで甘い拷問のようで…
出口を探して涙が落ちる。
「呼んで…」
「た、た、太一」
「ん。もう一回呼んで…」
「太一…」
君は艶を含んだ笑顔を浮かべ
そっと私の中へ…
二人の体が…溶け合っていく。