秘密のブライド




だがこんな時代、いつ誰が命を落とすかわからない。

病を患うか、怪我を負ってしまうかわからない。


そうなれば男児が多ければ多いほど家は安泰だ。

だが同時に後継者争いに発展してしまう可能性も高くなってしまう。


事実、晴信自身この家の嫡男でありながらその資格を実の父に剥奪されそうになったのだ。

出来ることなら問題なく嫡男に後を継がせたい。

それが晴信の思いだった。


それに正室と側室との間で権力争いや嫉妬からの確執が起こることもあると聞く。

そんなことにでもなれば大問題もいいところだ。




「何を仰っているのですか。だからこそではありませんか」




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