秘密のブライド




丁寧な物腰やゆったりとした動作はさすが公家の娘といったところか。

笑った姿も様になるのは育ちのせいだとしか思えない。


彼女の所作はその全てが彼女を更に美しく見せている。


しかし、晴信にはそれ以上に気になるところがあった。




(真っ直ぐな、瞳…)




楽しそうに細められた瞳。

それは奥から強い光を放ち決して揺れることはない。


晴信はそこに何か確かな彼女の意志がある気がして仕方なかった。


しかしそれが善悪のどちらなのかまではわからない。

それほどまでに彼女は"完璧"だったのだ。


そこで晴信は意を決して尋ねてみることにした。




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