れぷりか


性格は違っていても やっぱり双子なのだと、時々思いしらされる。

好みは似ていて、ひとつのモノの取り合いで、こどもの頃はよく喧嘩をした。

そんな時
諦めるのは決まって私だった。


美希は、生まれつき心臓が弱くて
12歳の時に酷い発作をおこして生死をさまよった。

両親も、昔からそんな美希には甘くて
いつも私が怒られていたし、私自身なんとなく引け目を感じていた。



大丈夫。
今回も同じ事だ。まだ引き返せる。

そう言い聞かせて私は
気持ちをそっと心の奥に隠した。

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