れぷりか
目をつむると、じわりと熱いものがこみあげてきて…これまでの事が一気に思い出される。
教室の中では、いつもひとりだった。
思えば、私はヒロについて
知らない事のほうが多いのかもしれない。
授業中、短い休み時間
友達と、先生と、彼がどんなふうに過ごしていたのか…
私にはいつだって優しかったけれど、図書室や帰り道での記憶がほとんどで
逆をいえば
その他でのヒロを、私は知らない。
もっと普通の関係だったらと、思う事もあった。
けれど、少しでも一緒にいられるならそれでいいと…でも
そんな限られた中での思い出でさえも、すでに遠い昔のようで
今日で全てが、終わろうとしている。