れぷりか
「俺、あの時…
美希が目を覚まして、何も覚えてないってわかって…
ちょっと、ほっとしたんだ
はじめはもちろんショックだったけど、でもすぐに…これで、よかったのかもしれないって、思った」
「ヒロ…」
「そういうやつなんだ、俺は…」
そう言って、ヒロは苦笑した。
どうしてだろう
今、ヒロは目の前にいて
2人の間の距離はたった数センチなはずなのに‥どんなに頑張っても、もう手は届かない気がした。
「聞いても、いいかな‥」
答えは、きっともうでてる。
「‥うん」
「私の事、好き?」
こんな時に、バカな質問をしているのもわかってる。
それでも…
「‥‥好き?」
「‥‥‥」
ヒロは、しばらく考えて、ふいに私の手を引き抱き寄せた。
私は一瞬でヒロの匂いに包まれる。