れぷりか


「……」


「なんだよっ」

少し茶化すように言いながら
急に黙りこんだ私の顔を
ヒロは不思議そうにのぞきこんだ。



「んと…映画…」



「映画?」


「うん。映画

見たいなって。ふたりで。」


ごまかすためにとっさに出た言葉。




「…いいね、行こうか。」


その不自然さに
ヒロはふれようとはせず

一言そう答えると
目を細めて優しく微笑んだ。


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