れぷりか



「いつも俺、部活ばっかだからな。

なに見よかっか?」



「ん~、何でもいい。」


「それが一番こまるって」
くすっと笑ってヒロが言った。


「‥だって、なんでもいいもん。
私は一緒いるだけで満足。」


「…あのね咲希ちゃん…
言ってる事めちゃくちゃ 。てか、そういう恥ずかしい事真顔でいうなって。」

言いながら
繋いだ彼の手にはほんの少し力がはいり


同時に
さっきまでちくちくしていた胸の奥が、今度はぎゅっと締め付けられる。



息が、苦しい。





嬉しいはずなのに
こんなに苦しいのは、きっと
私が『咲希』だから。





< 27 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop