れぷりか
大丈夫。大丈夫。
そう自分に言い聞かせても
いつだって
美希への罪悪感はついてまわった。
ヒロは、優しい。
こんな私と変わらず一緒にいてくれて
手をつなぎたいといえば
迷わず温もりをくれる。
「咲希」
私の名前をよぶその声が、好きだ。
「どうした?
さっきからぼーとして」
「なんでもないよ。
ポップコーン食べたいね。」
きっと
「映画といば、だな。
甘いのでしょ?」
「え?あ、うん。
…キャラメルのやつ」
ヒロのほうが
「ははっ、なんかすげーデートっぽいね」
「だね。 」
もっとずっと、辛いはずなのに。