れぷりか
「なんか俺、好きだよ。
咲希のそういうとこ。」
「…っ…?」
ヒロが突拍子もなく、ごく自然に好きだというから
「なにそれ…急に」
私は一瞬、よくわからず
でも後からじわりと、嬉しさが込み上げる。
「ほんと…ずるいよヒロ…。」
ヒロにとってはきっと、さほど大きな意味はない。
「そう?思った事言っただけだよ
てっやべ、だいぶ外暗くなってきた。」
「…帰ろっか。」
私はその気まぐれな一言に
本当は動揺しつつ、何ともないふりをして
言葉を返した。