れぷりか
私は本を閉じて、鞄を手にとり席を立った。
「ほんと真っ暗…日、落ちるのはやくなったね。」
「だな。」
私が言うとヒロは短く答える。
そんな、取り留めの無い事を話しながら
私達は図書室を出ようと、歩きだした。
そして
ヒロが出入り口のドアに手をかけた時
ほぼ同時に
私のポケットの中で、携帯のバイブがなった。
少し不思議に思いながら画面を確認すると、そこには知らない番号が表示されている。
「……」
「出ないの?」
すぐに出る事が出来ずに私が画面を見つめていると、ヒロが言った。
「うん…大丈夫。」
そもそも、友達のいない私の携帯が鳴ること自体珍しく
普段は、ヒロとの連絡手段として使うのがほとんどだ。
きっと
間違い電話だろうと、そう思った。