れぷりか


あの時、ヒロはどんな気持ちだったろう

好きな人の記憶から、自分の存在だけが消えてしまったら…辛くないはずがない。


私は
ヒロに何ひとつしてあげられなかった。

あるのはただ、好きという気持ちだけで
何の役にもたたない。

私はずっと
自分勝手な恋をしていた。


でも、それでもまだ

ヒロに会いたいと
そう思ってしまう自分に嫌気がさす。



‥美希が眠っている間

ヒロへの気持ちと、美希への罪悪感で
頭がぐちゃぐちゃになるほど毎日悩んで

けれどその結末は
驚くほどあっけなくて

行く場所をなくしたヒロへの想いだけが
宙に浮く。








 
< 93 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop