緊急指令:恋せよ乙女っ!
そんな彼女に伝染してしまったみたいに顔をうっすらピンク色に染めたルイスは、幸せそうに僕も、と呟く。
「でも、これで分かった」
「え?」
ふにゃっとした笑顔で彼はそっとちえが掛けている眼鏡を外す。
「ちえが今日目を反らしたのは僕が嫌いなんじゃなくて、僕にドキドキしたから反らしたんだね」
「あ…う」
恥ずかしくて頭が沸騰してしまいそうだ。だけど嬉しそうなルイスを見ると否定出来ない。
「ちえ、大好き」
その言葉の後、何故か幼さは消えて瞳に妖しい光が宿る。
ちえはひくりと顔が引きつった。
「だから、許さないよ。僕以外の男なんてみたら」
昨日と同じように、彼はちえの顎に手をかけ距離を詰める。
「ちえ。……Are you ready?」
(え、準備はいい、って何の…)
段々ルイスの端正な顔が隙間を埋めるように彼女に近付いていく。
「ま、待って!」
「待たない」
ちえは何かを悟り制止の声を上げたがそれも虚しく彼女と彼の影が重なる。
「拒否権はないって、言ったでしょ」
ルイスは満面の笑みを浮かべて囁いた。