歩き出せ私たち
昔から、何をするにも四人一緒だった。
家が近所だから、幼稚園のころから今までずっと。
それが当たり前だと思ってたし、それ以上は何もいらなかった。
四人でいられれば、それで良かった。
それなのに、
終わりは案外すぐ、やってきた。
その時私は、自分の部屋で発売されたばかりの少年ジャンプを読んでいた。
電話越しに聞こえるアキナの声に、いつも通り適当な相槌を打ちながら。
「それでね、私、ノボルくんと付き合うことになったんだ」
嬉々としたアキナの声に、ページを捲る手が、止まる。
前後の言葉は、一切頭に残っていない。
その一言だけが、私に、まるで雷が落ちたような衝撃を与えた。
電話を終え、玄関まで猛ダッシュして、ドアを勢いよく開ける。
すると、隣の部屋に住んでいるトモヤも私と同じことを考えていたのか、ドアを開けてこちらを見ていた。
「電話、きた?」
「きた・・・・!」
お互い、体を半分だけ外に出して、短い会話をする。
当時の私達には、こんな簡単な会話だけでも、表現や口調からお互いの驚きが充分に伝わり合った。