本物のお姫様に
「よかったぁ。小雪があんな男と一緒に帰らなくて。」
悪魔の微笑で言う美幸。
やっぱりわざとだったんだ。
「それに、小雪あの人の名前知らないでしょ」
図星をつかれた。
「そういうのいい加減にやめたら?」
悠馬と同じ事言ってる。
「男の子がかわいそう」
理由は違うけどね。
「ばいばい」
そう言って美幸と別れた。
学校から家までの距離はそう遠くない。
だから、あの学校を選んだともいえるけど。
――ガチャっ
家に帰っても誰もいない。
まあ、当たり前か。
一人暮らしだし。