本物のお姫様に
――ピーンポーン

インターホンがなる。


誰だろう。

わたしの家に人なんてなかなか来ないんだけどな。


「はい。」


玄関の扉を開けるとそこにいたのは。

「お母さん・・・」


久しぶりに会う母だった。

「久しぶりね。小雪」


そう一言言って家にずかずかと入る。

「意外に綺麗にしてんのね」

酒と香水の匂い混ざったにおいがする。

家に入らないで欲しい。

「何しにきたの」


お母さんはどさっとソファーに座る。


「あんたの様子見に来たの。」

どの面下げてだよ。

そう言いたいのを堪える。


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