本物のお姫様に
わたしの言いたい事が分かったのか、悠馬は微笑んだ。

「さっき見たんだよ。おまえの家から出てくるおばさんをさ」

どうして今なの?

タイミングよすぎるよ。


「大丈夫か?」


限界だった。

「ふぇ・・・っ」


目から、何かが零れ落ちた。


何も言わずに悠馬はわたしの頭を撫でる。

「好きだよ。小雪」


はい?

顔をあげると太陽のように微笑んだ悠馬がいた。


「好きだよ」

そんなに何回も言わないでよ。


「好きだよ。おまえも好きだろ?俺の事」

何で知ってるのよ。


そうよ、小さい頃からずっと好きだったのよ。

今まで気付かなかったくせに。

鈍ちんが。

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