不器用なあいつ
冷えた紅茶を捨てて、熱いものを淹れ直した。
今度はあたしと拓海の二人分。
もちろん席だって移動する。
いつもと同じあたしの席の隣には、今までとは違う関係のあいつ。
ハンカチを仕上げながら、拓海のエプロンも手伝うことに。
家庭科部の名にかけて、いいもの作らせてやる!
あたしはむんっと気合い十分。
面倒だと渋る拓海を席につかせる。
そして、あたしは不器用なあいつのために新しい布を広げた。
fin.